「僕は、日本のハーフの子供たちのためにプレーしたい」 八村塁は、最近、いくつかのアメリカの媒体の取材に答えて、そう話している。西アフリカの国、ベナン出身の父と日本人の母の血を継ぐハーフとして、同じようなハーフの子供たちのロールモデルとなると自ら宣言したのだった。 それで思い出したことがあった。4年前、まだ八村が仙台の明成高校にいたときのこと。夏に日本代表に参加していた彼を取材させてもらったことがあった。バスケットボールを始めたいきさつや、代表活動の経験、アメリカやNCAAに対する思いなどを聞いた後で、高校生に聞くには少し繊細な話題かと思いながらも、ハーフであることで苦労したことがあるか尋ねてみた。 「ハーフで苦労したことはない」 すると、八村はあっけらかんと「(苦労したことは)ないです。絶対にハーフでよかったです。それは、もう言い切れます」と、きっぱりと断言したのだ。 「こういう、いい身体
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