日本には、国民はもちろん、首相や官僚でさえもよくわかっていない「ウラの掟」が存在し、社会全体の構造を歪めている。そうした「ウラの掟」のほとんどは、アメリカ政府そのものと日本とのあいだではなく、じつは米軍と日本のエリート官僚とのあいだで直接結ばれた、占領期以来の軍事上の密約を起源としている。最高裁・検察・外務省の「裏マニュアル」を参照しながら、日米合同委員会の実態に迫り、日本の権力構造を徹底解明する。 *本記事は矢部 宏治『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』(講談社現代新書)から抜粋・再編集したものです。 アメリカは「国」ではなく、「国連」である こうして指揮権密約の歴史をさかのぼったことで、戦後、日米のあいだで結ばれた無数の軍事的な取り決めの、大きな全体像が見えてきました。その重要な手がかりとなったのが、朝鮮戦争のさなかにつくられた、米軍が自分で書いた旧安保条約の原案だったのです(
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