「もう流されてしまったか…」。宮城県石巻市の実家近くに押し寄せた1メートル以上の津波。3月11日深夜。千葉県松戸市の会社員、大場淳さん(47)は、インターネットの短文投稿サイト「ツイッター」の画像を見て愕然(がくぜん)とした。 故郷には70歳を超える両親が住んでいる。東日本大震災直後、まったく連絡が取れなくなった。数百回にわたり自宅に電話をかけたが、呼び出し音すら鳴らなかった。最悪の想像が頭をよぎった。 大場さんはわらにもすがる気持ちで、ネット検索大手グーグルが設置した安否確認サイト「パーソンファインダー」に登録した。 大場さんは「さほど期待してはいなかった」というが、1週間が経過した3月18日、見知らぬ男性から一報があった。 「ご両親は石巻市のホテルに避難されているようです」 連絡してくれたのは、意外にも東京の会社員だった。交流サイト「ミクシィ」を通じて避難所に掲示されていた被災者名簿の