先進的なIT企業や新たな資源開発など比較的明るい話題が多い米国だが、 アキレス腱は貧弱な医療保険制度だろう。 日本でも米国でも、年金制度の破綻が2030年代頃に迫っていると言われるが、 米国では高齢者向け医療制度、メディケアの経費が爆発的に増大しており、 そのインパクトの方が年金制度の破綻のインパクトよりもずっと大きいために、 国民は年金制度を心配するに至っていない。 1980年から2008年の間、年率7.4%という驚異的なペースで 高騰した医療サービス価格は、2014年にかけても、やや鈍化するとはいえ、 年率6.5%前後の他の物価を大きく上回るペースで上昇すると見込まれているそうだ。 一般的な世帯の医療保険費用は軽く年間1万ドルを突破することが多い。 また、2010年の個人破産のうち42%は医療費の支払いが原因となっている。 少ない確率で多額の費用が必要になるという医療費の特徴から医療保