日本映画業界のジェンダーギャップ(男女格差)が深刻だ。調査を行う「ジャパニーズ・フィルム・プロジェクト(JFP)」は「課題が見えているのに変えようとしない。人権に向き合っている様子が見えない」と苦言。世界的潮流であるジェンダーギャップの解消に後れをとれば、日本映画の評価に影響を与え、多様な作品の誕生も阻害しかねない。(沢田千秋) JFPは、映画界のジェンダーギャップや労働環境の改善を目指し、昨夏に映像作家や映画監督らが設立。7月上旬の記者会見で今年の調査結果を公表した。「2021年の興行収入10億円以上の実写映画16本中、女性監督はゼロ」「過去4年間で、大手4社の劇場公開作品(実写)の女性監督は20人に1人」 大手4社は、映画制作配給を担う東宝、松竹、東映、KADOKAWAで、役員、執行役員の女性割合は計102人中6人のみ。制作現場では、監督のほか、撮影や照明など業界内で地位が高い役職の女