南陽市出身、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! しばらく高倉健の任侠映画ばかり見ていた。 礼儀正しくて水臭い。ヤクザの世界に生きてはいるが、できれば正業に力を入れ、カタギになってまっとうに暮らしたい……ヒトゴロシなどとんでもない。そんな正義感の健さん。しかし、調子こいた悪漢どもの嫌がらせと奸計に、じつに長々と、じつに長々とガマンしたうえに怒り大爆発。山本燐一などの悪漢をバッサバサとドスで斬り倒していた。 そんな日本的な奥ゆかしさ、ウェットな味わい、そっと寄りそう池部良もたまらんが、今回紹介するバトルアクション『デストロ246』(高橋慶太郎 小学館)は、そんな健サン仁侠映画とは対極的な位置にある……と、最新刊の五巻を読んで思った。 敵と判断したら即座に抹殺。殺人に対するためらいなどカケラもなく