パソコン黎明(れいめい)期、ワープロや表計算ソフトと並んで「三種の神器」とされていたデータベース管理ソフト。PCでスタンドアロン動作するデスクトップデータベースとして、海外勢のAccessやファイルメーカーなどと覇を競っていたのが管理工学研究所の「桐」だ。 桐がPC-9801版のMS-DOSで動作するデータベースソフトとして登場したのは1986年のこと。当時開発に携わっていた管理工学研究所経営戦略室の大久保潤室長は、桐の設計思想を「高機能でハードルが高いデータベースを誰でも使えるようにする製品」と説明する。 当時のデスクトップデータベースは業務アプリケーションの開発環境としての性格が強かった。紙のカードを模したカード型を除けば、テーブルの設計や入力フォームの開発を済ませた上でエンドユーザーが使うのが基本だった時代だ。 一方桐は、Excelのような表形式の画面と対話型のユーザーインターフェー