福井県越前町沖の定置網に連日、マフグが大量にかかっている。1日の水揚げが例年の数十倍もあり、漁師らは大漁に喜ぶ一方で、珍しいことだと首をかしげている。 マフグは北海道以南の日本各地に生息し、体長50センチほどで食用になる。同町内での漁獲量は例年、最も捕れる春先でも1日約200キロにすぎなかった。 定置網は越前岬の沖合約1キロに仕掛けた。21日は明け方と夕方に網を引き揚げ合計約46トン、22日明け方には一度に32トンもあった。 23日は明け方の水揚げが4・5トンに減ったが、捕れた魚の8割以上がフグだった。午前5時ごろ、同町小樟の越前漁港に漁船が帰港すると、漁師らは大きな箱に約1トンずつ分けて素早く氷をかけた。入札にかけられ、落札した仲買人に引き取られた。 小樟定置網組合の京谷宗雄組合長は「漁に携わって50年になるが、こんなことは初めて。理由は魚にでも聞かないと分からない」と話していた