「小さな会社を買って経営者になりたい」ーーーそう考えるサラリーマンが増えています。M&A(=企業の合併や買収)が、個人の間でも活発になっているというのです。ただ、取材を重ねると、成功事例ばかりではない実態も見えてきました。(経済部記者 渡部圭司) 2月に都内で開かれた企業買収のノウハウを学ぶ大規模なイベント。「300万円からの会社売買と事業承継」と題したセミナーをのぞくと、サラリーマンら、およそ1000人が集まっていました。「自分で起業するよりも、今ある会社を買って引き継ぐほうが、事業を成功させる確率が上がる」。そう強調する講師に、多くの人が耳を傾けていました。