教師と生徒の恋愛は、フィクションでは許されても実社会では違法となりえる-。4月に施行された「教員による児童生徒性暴力防止法」は、生徒に対する性的な行為について同意の有無にかかわらず性暴力に当たるとして禁止した。文部科学省は懲戒処分や刑事告発などの厳しい対応を求めているが、新法は違反した場合の罰則規定は設けていない。法制審議会では一律に刑事罰を科すべきとの声もあるが、「真摯(しんし)な恋愛」も犯罪とするのはやり過ぎだとの慎重論も出て、意見は分かれている。 法律は議員立法で昨年5月に成立。性交をはじめ不必要に体を触る行為、性的な発言などを広く「児童生徒性暴力」と定義した。教員による一方的な行為だけでなく、合意のもとでの関係も性暴力に含まれると位置付けたのが大きな特徴だ。 立法の背景には「合意による恋愛」という主張が、教員による性暴力の〝隠れみの〟になってきたという問題意識がある。 性暴力被害に