変な登場人物がいっぱい出てくる変な小説! ……なんだけど、不思議と爽やかで読後感が良いお話でした。面白いなあ。 主役っぽい男の子、山崎章夫が登場する(ちなみに小説はヒロイン・アキラの一人称視点)んだけど、この少年の特殊能力が凄い。伊達眼鏡をかけると、微妙なヒーローに変身するのだ。なんと背が五センチのび、ニキビが消え、紙がサラサラになり、かけっこが陸上部員の次に早くなり、水泳は水泳部員の次に達者になり、模試を受ければどこの大学に対してもB判定を取れるという、「一番にはなれない」ヒーロー、その名も山崎毅(誤解なきよう。山崎章夫が変身したヒーローの名前が、山崎毅というのだ)。もうこの設定聞くだけでアホっぽいじゃないですか。 そんな馬鹿みたいな軽いノリなのに、いきなり山崎くん死亡。ええーっ? そこからが本番で、変な話に巻き込まれる(というかこの時点ですでに巻き込まれている)んだけど、どういう事件に