サッポロ飲料の石原睦取締役経営戦略部長。左手に持つのは2009年に100周年を迎えた炭酸飲料「リボンシトロン」だ サッポロ飲料(東京都渋谷区)は2008年1月に就任した鈴木英世代表取締役社長の下で大胆な戦略の見直しに取り組み、2008年12月期は4年振りの営業黒字を達成した。「無理に売り上げを追わず、身の丈に合ったビジネスをしよう」という新社長のメッセージは、組織的なIT(情報技術)活用にも影響を及ぼした。 実は数年前から製品の売り上げや利益を販路や時間帯、地域など様々な切り口で細かく分析できる仕組みを同社は構築していたが、活用度は今一つだった。だが2008年から社員たちが積極的に用いるようになった。CIO(最高情報責任者)の役割を負っている石原睦取締役経営戦略部長は「従来、社員たちは『売り上げをしっかりと確保できなければ利益は出ない』と思っていた。だが、赤字の取り引きを思い切って廃止する