一歩足を踏み入れれば昭和にタイムスリップ! 六本木の真ん中にひっそりと残っていた小さな平屋が、昭和の趣きをそのまま活かしたハウススタジオになった。 ここ数年間の再開発で変貌を遂げている六本木。この街のど真ん中、現在工事中の高層ビルのすぐ足元に、平屋の日本家屋がちょこなんと残っている。以前「粘る平屋」というタイトルで募集していた物件だ。 築年数はおよそ50年。1年ほど前までは、老夫婦がひっそりと暮らしていたらしい。少し焼けた畳敷きの部屋、いい具合に使い込まれた廊下、素朴な欄間や襖、障子を通して差し込む柔らかい光、小さな庭を眺められる縁側、色あせた天井板......。玄関の引き戸をカラカラとあけると、思わず「ただいま」と言ってしまいそうになるような、どこか懐かしい昭和の空気を残した空間が出迎えてくれる。 かつてはこの一帯にも、こういった平屋の民家がたくさんあったと聞くが、今ではもうほとんどお目