私は10代の頃から吉本ばななの大ファンだ。しかし、どこがおもしろいのか、おすすめ作品は?と訊かれると難しい。 ばななさんは、ある時期まで「傷ついた人を小説で癒やす」ことを意識して書いていたそうだ。だから、ばななさんの小説に共鳴する「ある種の傷」を抱えた人たちは貪るように読み、そうでない人には全然響かない。そういうものなんだと思う。 『花のベッドでひるねして』を読んだとき、このところ停滞していたモヤが晴れていくような明るさを感じた。 この作品に登場するおじいさんの誇り高い生き方や、「違うこと」をしないこと、を繰り返し主張していたのが印象に残った。 花のベッドでひるねして (幻冬舎文庫) 作者: よしもとばなな 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2017/04/11 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 「違うこと」とはなんなのか。簡単に言い換えれば、「気が進まないこと」