超高層マンションが各地で建設されているが、初期の超高層マンションから最新超高層マンションに住み替える人たちの間で、史上初めてとも言える革命的な出来事が起きている。それは、住宅の「南向き信仰」崩壊だ。住宅ジャーナリスト櫻井幸雄さんが報告する。 ◇いままでの日本では考えられない現象 日本で超高層マンションが増え始めたのは2001年ごろから。ちょうどそのころ、東京では湾岸エリアの再開発が進み、「都心マンションブーム」と呼ばれる現象が起きた。「超高層」の定義は地上60メートルを超えること。60メートルの高さであればだいたい20階建てだから、「地上20階建て以上が超高層」とも言える。 その超高層マンション第1号とされるのが、住友不動産が1976(昭和51)年、当時の埼玉県与野市(現在はさいたま市)に建設した「与野ハウス」だ。その規模は、地上21階建て、高さ66メートルだった。 地上50階を超