ロンドン(CNN) 最近の物差しで測ったとしても、20日は英国の政治史で開いた口がふさがらない一日となった。 わずか6週間前にジョンソン前首相の後任に就いたトラス首相が辞意を表明した。ブレグジット(欧州連合からの離脱)支持者だった同氏の後に残るのは、財源確保のない減税による「成長計画」で起きた経済危機と、政権には残るもののその大きな力を間違いなく振るえなくなる保守党だ。 この短い期間にトラス氏の首相就任が英国政治に残した影響はあまりにも大きい。同氏の急進的な経済政策の提案は、それが実現する前から通貨ポンドをこの数十年で対ドルの最安水準へと急落させた。 この混乱で国債の利率は上昇、政府の借り入れに負の影響を与えた上、国民の年金基金も危機にさらした。利率の上昇で住宅ローンの返済額は増え、貸し手は市場から商品を引き上げ、住宅購入を望む人々の希望は一夜にして消え去った。 財政規律が長年の合言葉とな