国の持続化給付金事業で再委託や外注が繰り返された問題で、不透明な業務や支出の無駄がないかを検査していた経済産業省は12日、最終結果を公表した。事業に関与した企業は564社(受注額100万円以上)に上り、下請けは最大9次まで及ぶことが明らかとなったが、経産省は「手続きや取引の適切性を確認した」と結論づけた。(皆川剛)
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東京都の新型コロナウイルスのモニタリング会議が12日あり、都内の感染状況について専門家から「制御不能な状況だ。災害レベルで感染が猛威を振るう非常事態」と報告された。医療提供体制については「深刻な機能不全に陥っている」とコメントされた。 現在のペースで感染増加が続くと、2週間後の25日には、1日当たり5113人となるとの予測を示した。国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長は「もはや災害時と同様に自分の身は自分で守る感染予防のための行動が必要な段階である」と強調した。 東京都医師会の猪口正孝副会長は、医療体制は「ひっ迫している」とした上で「重症患者が急激に増加しており、救急医療や予定手術などの通常医療も含めて医療提供体制が深刻な機能不全に陥っている。現状の感染状況が継続するだけでも、医療提供体制の維持が困難になる」と述べた。 重症者が11日現在で197人と過去最多となっている
東京五輪が閉会する8日、東京都庁の南北展望室には、新型コロナウイルスワクチンの接種会場が設けられ、医療従事者や飲食店関係者らが接種に訪れた。中には五輪に複雑な思いを抱く人もいた。五輪は大半が無観客開催となり、都にとっては新たな費用負担が生じる可能性がある。 午後2時ごろに2度目の接種を終えた東京都世田谷区の成田孝浩さん(47)は、都庁2階の五輪展示スペースへ。大会を振り返り「フェンシングがよかった」と笑顔を見せた。それでも自身の経営する料理店は緊急事態宣言に伴う休業や時短営業の要請で客足が離れたまま。「五輪は好きだし選手はすごいと思う。だけど騒いでいる人たちを見るとモヤモヤしますね」 都内の新型コロナ感染状況の概要が発表される午後4時45分。新規感染者は日曜日としては過去最多となる4066人に上り、登庁していた都職員は「とにかく増え方がすごい。いったいどこがピークなのか…」と漏らした。新規
東京都世田谷区を走行中の小田急線快速急行の車内で、乗客を刃物で切り付けて殺害しようとしたとして、殺人未遂容疑で逮捕された職業不詳対馬悠介容疑者(36)が事件前、万引を目撃され女性店員に通報されていたことが、警視庁への取材で分かった。対馬容疑者は「女性店員を殺したいと思って再び店に戻ろうとしたが、閉店していたので、電車で事件を起こした」と供述しているという。 警視庁によると、対馬容疑者は6日昼、新宿区の食料品店で万引を目撃され女性店員に通報されたが、警察官に事情聴取を受けた後、川崎市多摩区の自宅に帰宅していた。インターネットで同店の情報を調べたところ閉店していたため、女性店員を殺害することはあきらめ、電車で事件を起こすことを考えたとの趣旨を供述しているという。 対馬容疑者は6日午後8時半ごろ、成城学園前―祖師ケ谷大蔵間を走行する電車内で、都内の女子大学生(20)の背中や胸など7カ所を牛刀(刃
東京都の小池百合子知事は2日、東京のこの日の新型コロナウイルス感染症の重症者が114人となり、自宅療養者が1万人を超えて医療の逼迫が懸念される状況となっていることについて「基本的に入院は中等症以上という仕分けになっている。宿泊療養、ホテル、自宅での療養がより安全になるために指示もしている」と述べ、理解を求めた。 東京の感染者は2日新たに2195人となり、7日連続で2000人を超えた。現在入院している重症患者は114人となり、1週間前の7月26日から36人増加した。一方で自宅療養者は7月31日に1万人を突破し、8月2日時点で1万2161人に。1月の第3波のように感染者が急増し、自宅で亡くなる人が出ないか懸念される状況となっている。 小池氏は重症者が増えている状況について「ここのところ増えているのは事実であります。40代50代が26人、44人と、この多くを占めている」と指摘。糖尿、高血圧、ぜん
東京五輪で日本選手の活躍が続く中、都内での新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。東京の新規感染者は31日、4058人で最多を更新。都は感染者の半数を占める20代や30代、重症者が多い50代を中心に外出自粛などの呼び掛けを強める。しかし、週末夜の新橋ではサラリーマンらが五輪中継を見ながらグラスにビールを注ぎ、休日の原宿は大勢の若者たちでにぎわっていた。(米田怜央、山口登史)
東京都は30日、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が8月末まで延長されるのに伴い、対策本部会議を開き、延長後も引き続き飲食店に酒類提供停止を要請する感染防止策を決定した。小池百合子知事は「これ以上の感染拡大を食い止めなければならない」と強調。一方で、当面の感染急増を抑えるための新たな措置は盛り込まなかった。 30日に報告された都内の新規感染者数は3300人で、3日連続で3000人超。入院者数も3100人を上回り、自宅療養者数も9800人近くに達している。 小池知事は30日の定例会見や本部会議後の取材で「病床の確保や宿泊療養施設の拡充を進めている」とし、自宅療養者の健康観察を担う看護師を増強する方針を表明。人出の抑制については、テレワークの徹底などを求めていくとした。 また「ワクチンが行き渡るまでが勝負。この夏を最後のステイホームに」としてあらためて外出自粛を要請。一方で、感染者が増加して
菅義偉首相は29日、新型コロナウイルスの感染急拡大と東京五輪の因果関係について官邸で記者団に「ないと思っている」と否定した。記者が「五輪の開催が今回の感染者数に影響を与えていない、因果関係がないという論拠を聞かせてほしい」と尋ねたのに答えた。 首相は「五輪で人流が増えたり、外国の方から感染が広がったりするのを避けるための水際対策はしっかりやっている」と強調した。政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は同日の参院内閣委員会で、五輪が感染拡大の要因の1つだと指摘したが、それとは異なる見解を示した。 首相が6月の参院決算委で、国民の生命と健康を守ることが五輪開催の前提だと答弁していたことに関連し、今の状態は前提が守られているかを記者から問われ「前提の中で最大限の努力をしている。当時20%だった高齢者の重症者は、今は3%を切る時もある」と回答。今後の対策として「ワクチン接種や抗体カクテル療法など準
菅義偉首相は28日、新型コロナウイルスの全国的な感染急拡大を受けて、西村康稔経済再生担当相、田村憲久厚生労働相ら関係閣僚と行った協議内容について、記者団に説明しなかった。この日は、東京都で確認された新規感染者が初めて3000人を超えたが、官邸側は「本日はお答えする内容がない」(首相秘書官)として、首相の取材対応を拒否した。
東京都の小池百合子知事は28日、都庁で報道陣の取材に応じ、新型コロナウイルスの新規感染者数が27日に過去最多の2848人となり、増加傾向に歯止めがかからないことについて「ワクチンを、ぜひ若い方も打っていただきたい」と接種を呼び掛けた。 小池知事は、ワクチンを受けた高齢者が感染し重症になる割合が大幅に低下していることに言及した上で、「逆にワクチンを受けていないけれど、重症、中等症になる若い世代が増えている」と指摘。「若い方々の行動パターンが、鍵を握っている。自分がよければではなくて、結果として人にうつすと、医療体制が逼迫(ひっぱく)する。去年の夏も、年末も、お正月も、ゴールデンウィークもなく、ずーっと頑張っている医療従事者のことも考えていただきたい」と協力を訴えた。 医療体制にかかっている負荷についての認識については「基本的に、3つの柱でやっている。自宅、ホテルなどの宿泊療養施設、そして病院
【ワシントン=吉田通夫】東京五輪で選手から酷暑への悲鳴が相次いでいることについて、米国内では、2013年に当時の東京五輪招致委員会が国際オリンピック委員会(IOC)に提出した立候補ファイルで、7月下旬から8月上旬の気候を「温暖で、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」と主張したことを問題視する報道が相次いでいる。 ネットニュース「デーリー・ビースト」は26日、「この時期に東京を訪れたことがある人ならだれでも知っているように、報告の内容は良く言えば楽観的、悪く言えばうそだ」と指摘。「問題は、なぜIOCがそれを真実として受け入れたのかということだ」とIOCも批判した。 米ヤフーニュースのコラムニスト、ダン・ウェツェル氏は25日に、男子トライアスロンのゴール後に暑さで倒れ込む選手たちが相次いだ光景を「戦場のよう」と表現。「東京の真夏を『温暖』とか『理想的』と表現する住民
新型コロナウイルス緊急事態宣言下での東京五輪開幕まで1週間を切った。東京都では17日まで4日連続で新規感染者が1000人を超えるなど、感染状況は明らかに悪化傾向にあり、大会の中止を求める世論は根強い。だが政府には、状況次第で中止を検討する考えは既になく、このまま開幕を迎える方針だ。 菅義偉首相は16日、政府の東京五輪・パラリンピック競技大会推進本部の会合で「安全安心の大会の実現に向けて最後まで高い緊張感を持って取り組んでほしい」と話した。17日の読売テレビ番組では「たとえ無観客でも、感動を世界に届ける。難局を乗り越えられると発信することに意義がある」と強調した。 15日に開かれた都のモニタリング会議では、新規感染者の増加が今のペースで続けば、五輪閉幕直後の8月11日には直近1週間平均で約2400人に達するとの試算が示された。だが政府高官は「それくらいなら大丈夫。中止はない」と意に介さなかっ
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