東京都大田区の京急電鉄空港線穴守稲荷駅で、車いすに乗った区内の無職女性(百歳)がホームから線路上に落ち、駅の利用客が協力して助け上げる救出劇があった。女性は重傷を負ったが、命に別条はない。救助した人たちは立ち去っており、東京消防庁は名乗り出るよう呼び掛けている。 東京消防庁蒲田署などによると、事故があったのは十八日午後一時ごろ。七十代の娘が押していた女性の車いすが線路上に転落。反対側のホームにいた利用客四、五人が列車非常停止ボタンを押すとともに、車いすごと女性をホーム上に担ぎ上げた。女性は顔の骨を折るなど重傷を負った。 署によると、娘はホーム上にある改札を通る際に車いすから手を放してしまい、その後に転落したとみられる。駅はホームの幅が約五メートルで、雨水などがたまらないよう改札から線路方向にホームが若干傾斜しているという。転落防止のホームドアは設置されていなかった。