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ブックマーク / shirooo305.hatenablog.com (10)

  • アニメと自動販売機、その風情について - Paradism

    ぼっち・ざ・ろっく!』5話のワンシーンについて - Paradism 先日更新した記事でもふれた『ぼっち・ざ・ろっく!』5話における自動販売機前のシーン。少女の心奥底に隠された感情の一片 (ひとひら) を照らし、その輪郭を浮き彫りにする舞台装置として自販機という存在がここまで美しく機能するのかと驚かされたばかりですが、その一方で自販機と青春性ってなんでこんなにもマッチするんだろうな、ということについては結構考えさせられました。青白く光るライトに感じる淡さとか、それこそ思春期特有の内省と陰影の相性とか。その辺りをうまく利用していたのが作なのはもはや言うまでもないんですが、でもそれって別に自販機に限ったことでは決してないですし、光と影の演出という点において言えば幾らでもやりようはあったはずなんです。でもやっぱり自販機なんだよなって感じてしまう。そういう感情が心の片隅にきちんとある。それこそ

    アニメと自動販売機、その風情について - Paradism
    honeybe
    honeybe 2022/12/02
  • 『ぼっち・ざ・ろっく!』5話のワンシーンについて - Paradism

    「成長って正直なところよく分からない」。そんなひとりのモノローグと一連の流れから差し掛かるワンシーン。住宅街であろう道に煌めく看板と自動販売機の中を淡々と歩くぼっちの姿は、そんな変わり始めていく景色の中で心だけが追いついていかないその心境を鏡の如くそこへ映し出しているようでした。ひとりと自販機の関係を縦位置で映せば逆光となり、そういった意味性はより顕著に。単純に逆光とかコントラストの高い画面って情感が出て良いよねという話で済む場面でもあるのでしょうが、この作品がここまで通底し描いてきたことを踏まえれば、やはりそこには "感情的な何か" を感じずにはいられず、彼女の内面に対し視線を向けずにはいられなかったのです。 それは虹夏がやってきてからのカットでも同様でした。逆光で映すことに意味のあるカットの連続。もやっとしていたものにスポットが当てられていく感覚。今この瞬間だけは "そこ" について考

    『ぼっち・ざ・ろっく!』5話のワンシーンについて - Paradism
    honeybe
    honeybe 2022/11/22
  • 『ぼっち・ざ・ろっく!』1話の演出について - Paradism

    ファーストシーンにおけるままならさ、孤独感、色褪せた世界の質感。そこへひとりの語りも合わさることで、このシーンから彼女の出自や当時の感情を知るのはかなり容易なことであったように思います。"独り" であることへの屈とした想い。それを多角的な方面から演出するカメラワークやレンズ感。直接的に人の内面を画面に起こすことへの躊躇いは感じつつも、どのように描けばその内面をしっかりと伝えられるかに注力したフィルム。このアバンを前にしてはそう思わずにはいられないくらい、後藤ひとりという一人の少女の背景を非常に繊細に切り取ったシーンとなっていました。 例えば、スッとカメラの距離を離し、ロングショットで客観的に見た彼女の立ち位置を図ったり。マッチカットを使ったトランジションのシームレスさもそうですが、こういうカットの連続があるからこそ短い時間の中でもグッと受け手の感情を前のめりにしてくれるのだろうと思います

    『ぼっち・ざ・ろっく!』1話の演出について - Paradism
    honeybe
    honeybe 2022/10/17
  • 『かげきしょうじょ!!』11話の表情と芝居について - Paradism

    終始芝居が良かった11話。中でも特に気になったカット、シーンについて。まずはAパート頭のお風呂のシーンですが、瞬間瞬間でドキッとするような端正な顔立ちが描かれていたのがとても良いなと思いました。元々のデザインが可愛らしく良い意味で情報量が多くない*1感じなので、話の方向に従って絵の印象を大きく変えられるのかなとは感じます。主人公のさらさの性格も相まってか、コミカルなシーン/芝居もあったり、真面目な話をしだすとこういうキリッとした表情になったり。それも含めて彼女たちが紅華歌劇音楽学校の生徒である所以と思えるのも面白いというか。日常生活が舞台であり、演劇。そんな風に思えたりするのも尚、拍車を掛けて良いです。 当のさらさがこういった感情の乗った表情をするとグッとくるというのも、ようは同じことなのだと思います。表情がコロコロ変わるのも彼女の良さであり、それが主人公 (舞台の主役) 足る所以。彼女の

    『かげきしょうじょ!!』11話の表情と芝居について - Paradism
    honeybe
    honeybe 2021/09/13
  • 劇場版『若おかみは小学生!』の芝居・身体性について - Paradism

    表情変化や歩き芝居に始まり、抱き寄せる芝居、ものを運ぶ芝居、屈む芝居、掃除をする芝居など、おおよそ生活の中で見られるであろうアニメーションを徹底して描き出した今作。日々人が営む中で起こす動きを描くというのは非常に難しいことですが、それを終始高いレベルでここまで快活に描いていたことにとても驚かされました。加えて、そういった数多くの芝居が物語に寄与していたものは計り知れず、鑑賞後はこの作品が劇場アニメとしてのスケールでTV版とは別に作られた意味を思い知らされたようでした。*1 なぜなら、両親を失くし、祖母に引き取られた先で若女将として経験を積んでいく主人公のおっこがその過程で見せた懸命さも、失敗も、時に見せる子供らしい表情もその全てがとても生き生きと表現されていたからです。着物のシルエットや姿勢、いわゆるフォルムとその動かし方や、それらを内包した生活アニメーションの巧さは前述した通り当に素晴

    劇場版『若おかみは小学生!』の芝居・身体性について - Paradism
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    honeybe 2018/09/22
  • 『HUGっと!プリキュア』16話の演出について - Paradism

    全てにおいて素晴らしいとしか言いようがなかった話ですが、まず最初に目を奪われたのは構図やレイアウトの良さでした。特に日常パートでの人物配置などは素晴らしく、それぞれの芝居や表情を一つの画面に乗せることで、その空間でのやり取りを楽しく生き生きと伝えてくれていました。一人一人にカメラを寄せ映していくことも出来たはずですが、そうはせずワンカットの中に個性的で豊かな芝居・表情を詰め込んでくれたことが序盤のやり取りの面白さにも繋がっていたはずです。 こういったカットも同様です。手前で面白いやり取りをしている二人を描きながら、その奥にもちゃんとほまれたちを映して彼女たちの反応を描く。些細な反応ですが、それと分かるくらいの距離感・絶妙な配置がとても巧く、彼女たちの関係性が見える空間と空気感を感じられるのがとても良いです。 今回のコンテを担当されたのは渡邊巧大さんですが、こういったレイアウト・構図は他の

    『HUGっと!プリキュア』16話の演出について - Paradism
    honeybe
    honeybe 2018/05/22
  • 『アイドルマスター シンデレラガールズ』 第1話 「Who is in the pumpkin carriage?」 感想 - Parad_ism

    アニメ雑感, アイドルマスター シンデレラガールズゲーム稼働から約3年。アイマスの素晴らしきTVアニメシリーズから高雄統子さんを監督に据えてのこのアニメ化は、期待の遥か上を越える素晴らしい出来をもってその始まりの時を刻んでくれたように思います。 それこそ 「良かった点」 なんて挙げだしたら切りがない程に息をのんだ物語の序章。それはあの 『THE IDOLM@STER』 の第一話を彷彿とさせるかのような静かで、けれど力強い一歩を踏みしめる決意の灯としても私の胸に刻み込まれた、まさしく高雄統子さんが私たちに贈る “メッセージ” そのものに他ならなかったのでしょう。 それも一言で言い表すのであれば、これは 「始まりに至るための物語」 であるのだということ。幾度となく差し込まれた時計のカットと画面一杯に咲き誇る花々のカットはその象徴足り得るメタファーで、まさしく彼女たちの “これから” を予感

    『アイドルマスター シンデレラガールズ』 第1話 「Who is in the pumpkin carriage?」 感想 - Parad_ism
    honeybe
    honeybe 2015/01/13
  • 3年越しに振り返る 『THE IDOLM@STER』 ‐‐ 第1話 「これからが彼女たちのはじまり」 - Parad_ism

    アニメ雑感, THE IDOLM@STER以前からやろうやろうと考えていたこの企画。月も跨ぎ、劇場版アイドルマスターが公開されてから既に約8ヵ月が経ったわけですが、リマスター版の鑑賞も終え色々と一段落がついたところで、いよいよあの眩しい日々を振り返っておこうかなと思い、この記事を書き始めました。 劇場版のパッケージは今月の8日にBD/DVDが発売されますが、多分それを観ることになるのもこの記事を全26話分書いてからになると思います。耐えられる自信は全くありませんが、出来るだけ全てを辿り終えてから “向こう側” へまた行きたい、という想いはやはり強いので、まぁなんとか耐え切れることを願いつつ。 というわけで、早速第1話 「これからが彼女たちのはじまり」 を視聴したわけなんですが、なんというかもう泣くことしか出来なかったというのが当に自分でも意外でビックリしています。 自分自身の中では27話

    3年越しに振り返る 『THE IDOLM@STER』 ‐‐ 第1話 「これからが彼女たちのはじまり」 - Parad_ism
    honeybe
    honeybe 2014/10/01
  • アニメにおける腋描写の美学 - Parad_ism

    アニメ雑感人それぞれ趣味趣向というものはあるはずで、中でも局部的なフェティシズムに心擽られた経験があるという人は、そう少なくもないのではないでしょうか。それこそ例えれば、指先や踝(くるぶし)、首筋から襟足と多岐に渡るフェチポイント、そうした各所が魅せる輪郭線は人により時に美しく、また艶めかしくも映るもので、そうした女性特有のラインに胸をトキメかせた体験のある男性って結構多いと思うんです。 そして何を隠そう、私は 『腋』 が好きです。大好きと言っても過言ではないくらいに結構アニメ観てる時は腋の辺りを気にして観ています。けれどそうは言ってもただ画面に腋が映っていれば良いというものでも決してなく、そこには私なりの拘りとか美学みたいなものが少なからずあるわけで、それこそ乱雑な腋の魅せ方は余り好みではないですし、その善し悪しを決める境界の自論も簡潔に言ってしまえば以下のツイートに集約されてしまうのだ

    アニメにおける腋描写の美学 - Parad_ism
    honeybe
    honeybe 2014/04/17
  • 『ジブリールシリーズ』から『猫物語』への系譜 - Paradism

    昨晩放送された『物語(白)』のOPが素晴らしかったわけですが、そのディレクターを担当していたのがなんとURAさん。美少女ゲーム・エロゲをそれなりに嗜んでいる方なら多くの人がその手によって手掛けられたデモムービーを視聴したことがあるのではないかと思いますが、その手腕はTVアニメという映像表現の場においてもいかんなく発揮されていたように感じます。 www.youtube.com 有名なのは数あるパロディ動画を生み出した『いただきじゃんがりあんR』のOPが顕著ですが、特に『物語シリーズ』でキャラクターデザインをしている渡辺明夫さんとのタッグでは『魔界天使ジブリール4』『戦国天使ジブリール』などのジブリールシリーズの他、同社作品のグリザイアシリーズのOPなども同様に手掛けており、どの映像も素晴らしいクオリティとなっています。その中でも個人的に一番気に入っているのがこの『魔界天使ジブリール4』のO

    『ジブリールシリーズ』から『猫物語』への系譜 - Paradism
    honeybe
    honeybe 2013/07/08
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