国語の時間に『竹取物語』を読まされたことがあるだろう。 竹を取って暮らしてる翁(じじい)が輝く竹の中から子供を見つけて・・・・・・という話。冒頭の いまは昔、竹取の翁といふものありけり。から始まる文章を「三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。」まで暗誦できる人もいるだろうと思う。 よく知られた事だけれど、このような『竹取物語』の他にかぐや姫と翁の話にはかなり多数のヴァリアント(異説)がある。その多くは『今昔物語』や『海道記』、『毘沙門堂本古今集注』(まあ中世の古今集注釈)などに多数登場する。 異説とはいってもその多くは断片的なもので、富士山の名前の由来が記されたり記されなかったり、求婚者たちに無理難題をいったり言わなかったりと様々なパーツが違うという程度か、もうまったく別物か、である。そのヒロインの名前も、「かぐや姫」ではなくて「鶯姫」と言われることが多い。鶯の卵から生まれたからそうい