はじめまして、学而図書(がくじとしょ)の笠原と申します。法人化していないので「出版社」と言えないことが残念ですが、2021年4月に個人事業として学而図書を立ち上げ、以来、ひとりで出版業を営んできました。横浜の妙蓮寺という駅にあるシェアオフィスの一室(広さ2.5㎡)で、今日もささやかに活動しています。 ずっと愛読してきた版元日誌に、こうして自分も寄稿できて光栄です。この次の順番が回ってくるまで生き残っている自信がありませんので、この機会に、私が出版の世界に飛び込んだ経緯をお話しさせてください。あまり胸を張ってお伝えできない部分も、包み隠さず書き残しておきたいと思います。 学而図書は、身体を壊して社会からドロップアウトした私が、全ての責務を放り出し、ただ一つ、どうしても形にしたかった私家版を制作するためだけに設立された事業です。この事情から、経費の削減を最重視した設計になっており、創業当初の固
アマゾンジャパン合同会社 メディア事業本部 Amy Worth様 歳末あわただしいなか、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 私たち「版元ドットコム」は381社の会員出版社が自身の出版物の書誌情報を発信し、流通させることに取り組んでいる団体です。 先般、貴社において書誌情報の取り扱いと表示について重大な変更がされ、懸念をお伝えしたくご連絡申し上げました。 具体的には、書籍の目次情報の表示停止についてです。 以下は、本年7月初旬に貴社が一部の取引先あてに告知された以下の内容です。 — 引用はじめ — 商品情報ページの「目次」掲載に関するお知らせ新規 2020年7月20日以降順次、Amazon.co.jpにおける、書籍(本・コミック・雑誌)の商品情報ページの目次ページの掲載を停止いたします。同日以降順次、Amazon.co.jp上での、書籍の商品情報ページ上における「目次を見る」のリンク
弊社は2013年に創業。電子書籍専業出版社から始めて、2017年から紙の書籍に中心を移しました。紙書籍の刊行は、語学書・ビジネス書を中心に、2019年9月に刊行した『TOEIC L&Rテスト 絶対攻略リーディング』で8点目となります。 前回の版元日誌では、「電子専業出版社が紙出版を始めた理由」について書かせていただきました。電子書籍の動向について関心のある版元さんに読んでいただけたらと思って書いた記事でした。今回も、気になっている版元さんがありそうなテーマを選んでみました。 Amazonの電子書籍読み放題サービス、Kindle Unlimitedについては、ご存知の方が多いと思います。Kindle Unlimited対象の電子書籍は随時変わりますが、本原稿執筆時点では、「文学・評論」ジャンルで3万以上、「人文・思想」ジャンルで3万以上、「ビジネス・経済」ジャンルで1万以上等、多数の書籍がU
執筆依頼を送ると「一人じゃ書けないけど、知り合いにも一緒に書いてもらったらできるかも」という返事を頂く事があります。要するに「単著」ではなく、「共著」という事です。しかし共著は単著に比べてデメリットが多く、完成に至らないまま中止・自然消滅に至ることがかなり多く、基本的にはお断りしています。 もちろん世の中には執筆者それぞれの、当人にしか知り得ない専門性を活かした、論文を集めた本もあります。良い論文でも短いと、複数集めて本にする以外にないという事もあります。しかしこの様な論文集も完成に至るまでには、編者や編集者が多大な苦労を強いられている事はあまり知られていません。 そこで今回はなぜ共著が単著より難しく、デメリットが多いのかを説明したいと思います。安易な気持ちで共著にはしない方が良いと思いますが、もしどうしてもそうなってしまった場合、以下に述べる点を前もって気に留めて頂ければ幸いです。 ・当
この「版元日誌」をどの範囲の人がどの程度読んでいるのかはわからない。今回は、おおよその読者が版元ドットコムの関係者だということで話を進めたい。 春先に、ある著者から電話があった。 現在弊社で刊行し、書店でも流通している書籍について、某会社から電子書籍化を勧められているという(ここで書籍名を言ってしまうと著者名までバレてしまうのでふせておく)。 著者にコンタクトをとってきているのは、Nという会社で、元はWEBの制作などを中心にしていた会社だったが、最近電子書籍化の営業をあちこちで進めているらしい。 著者にお願いして資料を見せてもらったが、紙の本をスキャンして文字起こしをし、再度ePUBデータをつくるというもの。表紙は新たに作り直し、できた電子書籍をアマゾンへ出品、1冊ごとに著者へ7割が返ってくるという仕組みが提案されていた。 価格は6ケタにいかないぐらいだという。 こちらからは、自社内に印刷
昨年2017年9月、株式会社皓星社の創業者・藤巻修一より社長職を引き継ぎ、二代目になりました。 現在は藤巻と私の共同代表制で、藤巻は会長、私が社長です。これから数年をかけて、日常業務を行いながら経営面の引き継ぎをしていきます。いってみれば、私は今「社長見習い」のようなものです。 私が最後にこの版元日誌を書いたのは2015年6月、ちょうど2年ほど前のことです。自分が会社を継ぐことになろうなどとは、夢にも思っていませんでした。この間のことを、少しく書き記しておきたいと思います。 ◆雑誌記事索引データベース「ざっさくプラス」のこと 前の版元日誌「三つの代名詞」は、出張先の新潟で書いていました。出版と同時に、弊社では「ざっさくプラス」というデータベースを製作・運営しており、その営業に出ていたのでした。自社の仕事を面白いと思い始めたのは、実はこのデータベース事業に関わり始めてからでした。 「ざっさく
出版社・クラーケンを立ち上げて10ヵ月が経ちました(出版エージェンシー・クラウドブックスと、ホビーメーカー・ケンエレファントの共同事業)。 これまで3タイトルを出版。 おかげさまで全て増刷し(1タイトルは3刷)、メンバーも業務に慣れてきたところです。 同業者も含めて、これまで一番よく訊かれたのが「なんで儲からないのに出版社をやるの?」という問いでした。 もちろん、つくりたいものがあるからというのが第一ですが……。 続けて「誤解のないように言っておくと、そこそこ利益も出ますよ」と話をしても、あまり信じてもらえません。 出版社とは、コンテンツを企画制作し、そのコピーを売っている会社。 コピーゆえに原価率が低い傾向にあり、一定以上の数が売れれば(大小はさておき)利益が出るようにできています。 儲からない主なパターンは「コスト(固定費)かけすぎ」「返品されすぎ」「粗製乱造しすぎ」の3つで、これさえ
書店が椅子を用意して立ち読みよりも座ってお読みくださいを始めたのは、ジュンク堂が最初でもう15年以上になるだろうか。それに追随する書店もあり、サービスの一環として定着している。ただ私はどうしても違和感を覚える。このサービスに対してもだが、座って本を読んでいる輩に対してである。 この神経は一体何なのか。昔は貸本屋があったし今は充実しているとは言えないが図書館がある。貸本屋・図書館は書籍を購入してから公開しているので文句はないだろう。だが書店の「本」は買い切りなら本屋の物だが委託なら出版社のものである。日本の場合大半が委託だろう。ならば書店も読者も勘違いしてないか。話は変わるが、以前ベストセラー作家が束になって図書館のベストセラー複本購入に対し反対しているのを目にした。私からすれば図書館は本を買っているのでいいじゃないかと思う。図書館に対し反対するのであれば、書店で座り込んで本を読む輩や書店に
◯ 科学は「目に見えなくっても,あるものはあるのだ」ということを教えてくれる 目には見えませんが,宇宙からはいろいろなものがわたしたちの住む地球に降り注いでいるのをご存知ですか? その中の一つであるニュートリノの観測で,物理学者の小柴昌俊さんが2002年に,そしてニュートリノ振動の発見で梶田隆章さんが2015年に,ノーベル物理学賞を受賞しました。その時のニュースなどで,なにか宇宙から飛んできている粒子があるという話を聞いた記憶のある方も多いかもしれません。 このような,宇宙から地球に降り注いでいる小さな粒などのことを「宇宙線」といいます。その本格的な研究のためには,カミオカンデなどに見られるような,たいへん大がかりな装置が必要です。 しかし宇宙から地球に降り注いでいる宇宙線のいくつかは,そんな大がかりな装置などなくとも見ることができるのをご存知でしょうか? 「見る」といっても宇宙線そのもの
共和国のシモヒラオ氏は頭を抱えていた。ここでいう共和国とは一般名詞ではなく、2014年4月にこの元編集者がなけなしの100万円を投じて起業した極零細出版社のことだ。法人化してあるので正しくは株式会社共和国であるその出版社は、ほかに社員めいた存在もないようなので、かれが代表取締役兼奴隷ということになる。この4年足らずのあいだにもそもそと少部数の新刊を30点足らず刊行し、売れ行きこそタイトルによって波があるものの、なんとか法人を維持できているらしい。 といってとくにベストセラーを生み出したわけでもなく、知名度にいたっては業界でも弩がつくマイナークラスが指定席なので、これはもう本人は言うにおよばず著者訳者やデザイナー、印刷所や流通関係者をも巻き込んだ「公害」とか「社会悪」とか、そんな類の存在に近いのではないだろうか。生まれてすみません。 そのシモヒラオ氏が、そうでなくても浮かない顔をいっそう歪ま
紹介 豊臣秀吉は文禄・慶長の役で16万もの軍勢を朝鮮に出兵、数多くの城郭を築いた。なかでも朝鮮半島南岸に築いた城は倭城と呼ばれ、現在も約30カ所の城跡が残されている。それらは補給基地、兵の駐屯地とともに朝鮮水軍を阻止するための防御施設であった。主要部は石垣によって築かれ、竪堀や横堀の併用もみられ、まさに軍事的緊張下における築城技術が遺されているのである。本書では23城を取り上げ、概要図とともにアクセス図を掲載、戦国大名の築城技術を紹介。 目次 総 論 朝鮮出兵 津野 倫明 倭城とは 中井 均 倭城を歩く 1蔚山城 加藤 理文 2西生浦城 松井 一明 3林浪浦城 松井 一明 4機張城 松井 一明 5東莱城 岡寺 良 6釜山浦城 加藤 理文 7亀浦城 訓原 重保 8梁山城 加藤 理文 9金海竹島城 中井 均 10安骨浦城 溝口 彰啓 11熊川城 前田
紹介 ベローネ学院女子中等部2年の美墨なぎさと雪城ほのかは、キュアブラックとキュアホワイトとなってプリズムストーンを狙うジャアクキングの手先たちの攻撃に立ち向かっていく。ほのかの祖母さなえとミップルとの間におきた、今から60年前の出来事の秘密が明かされる……。 ごく普通の女の子だった、ベローネ学院女子中等部2年の美墨なぎさと雪城ほのかは、キュアブラックとキュアホワイトとなってプリズムストーンを狙うジァクキングの手先たちの攻撃に立ち向かっていく。ほのかの祖母さなえとミップルとの間におきた、今から60年前の出来事の秘密が明かされる……。人気アニメ「プリキュア」シリーズの描き下ろしオリジナル小説が、ついに登場します。カバーイラストを飾るのは、稲上晃氏。こちらも、見逃せません!
openBDのAPIをご利用下さい 版元ドットコムのサイトからご提供しているAPIは、2019年11月末日をもって停止します。 下記openBDのAPIをご利用下さい。 すでに版元ドットコムが現在ご提供のAPIをご利用のみなさまも、移行をお願いします。 版元ドットコムでは株式会社カーリルと一緒に、書誌情報・書影を、だれでも自由に使える、高速なAPIの提供を始めました。 openBD | 書誌情報・書影を自由に 安定性、高速性にすぐれ、データ内容は原則として版元ドットコムがご提供しているものと同一です。 openBDのAPIは複数データを一気に取得する手段がある、JSONでの取得ができる、など版元ドットコムでご提供していたものより使い勝手に優れる面もありますので、今後はぜひopenBDのAPIの方をご利用ください。 版元ドットコムAPIは2019年11月末日停止します。 あらたなご利用はお控
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