先日、北海道の羅臼に行ってきたら、武田泰淳の「ひかりごけ」が久しぶりに読みたくなったので、購入して読みました。 久しぶりに読んでびっくりしました。 あれっ?? 「ひかりごけ」ってこんな話だったっけ??? 「ひかりごけ」は、戦争中に実際に起こった食人事件をモチーフにして書かれた小説です。 「ひかりごけ」あらすじ 筆者は、闇の中で淡く光るひかりごけという苔を、北海道の羅臼に見にきた。地元の中学校の校長が、ひかりごけが群生する洞窟に筆者を案内してくれる。 校長はそこで、戦時中に知床岬で起きたある事件を、筆者に語る。 (事件の描写は、戯曲風に書かれている。) 戦時中、軍の徴用船が厳冬の知床岬で難波した。乗組員四人は、かろうじて洞窟の中に逃げ込んだ。 しかし、外はまったく視界がきかない猛吹雪で、海は流氷で凍り付いているため、すぐに食料がなくなり、四人は飢えに苦しむようになる。 四人のうち一人が、飢え