大河ドラマ『麒麟がくる』、織田信長と正親町天皇の関係が悪化し、間に立つ明智光秀の心労が増している、という話のようです。 実際信長と正親町天皇の関係はどうだったのでしょうか。 従来、信長は自分の意のままにならない正親町天皇を退位させ、自分に都合の良い誠仁親王(さねひとしんのう)を天皇につけようとしてきた、とされてきました。大河ドラマもその方向で描かれている、と言っていいでしょう。 しかし現在の学界の多数説はその見方を否定しています。 詳しくは渡邊大門編『虚像の織田信長』(柏書房)に収録された「実は「信頼関係」で結ばれていた信長と天皇」をご覧いただければ嬉しいのですが、ここでそのアウトラインを書いておきます。 虚像の織田信長 覆された九つの定説 一言で結論から言いますと、信長は正親町天皇に対しては「しょうがねえ奴だなぁ」と思っていたのではないか、と考えています。実際正親町天皇の迷走ぶりはひどく