「不熟 1970~2012 ARTWORK」には、1970年のデビューから現在に至るまで、42年間のアートワークを収録。「西遊妖猿伝」「妖怪ハンター」「栞と紙魚子」などの代表作に加え、描き下ろし3点、未発表作20点を含む全140点のイラストが掲載されている。諸星が全ページのイラストセレクトから掲載順まで、すべてにおいて完全プロデュースしたこだわりの1冊だ。 また画集では、諸星と高橋葉介の対談を実施。意外にも今回が初対面という2人が、お互いの絵についてたっぷりと語っている。そのほか諸星が自分の絵についてや、画集タイトル「不熟」の由来について本音を綴るあとがきも収録された。 「不熟」刊行を記念し、10月26日からリブロ池袋本店では諸星がセレクトした原画を展示。また11月18日には久々のサイン会が開催される。サイン会に参加するための整理券は、明日10月26日10時よりリブロ池袋本店にて「不熟」を
男友達もなく女との恋も知らない変わり者の中年男・本田をとらえたのは、レズビアンの親友・七島の女同士の恋と友情だった。女たちの世界を観察することに無上の喜びを見出す本田だが… 奇貨 [著]松浦理英子 寡作の著者の五年ぶりの小説がやっぱり面白い。 中年男と三十代の女が同居して三年になる。だが、男・本田は女性自体に強い性欲を抱かず、糖尿病によって勃起も十全でない。一方の七島美野はレズビアンで、同僚の寒咲晴香を恨んでいる。中途半端にその世界に興味を持っただけで自分と性交し、以後無視を決め込むからだ。 ここで著者をデビュー以来彩る“性嗜好(しこう)の多様なありよう”についてのみ語れば、作品の面白みを閉じてしまう。 むしろ今回のテーマが“恨み”であることは冒頭から明快である。本田と七島は恨みという負の感情を肯定して意気投合し、暮らすに至る。本田にとって、七島の感情を追体験することが刺激であり、生き甲斐
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