2018年6月、走行中の東海道新幹線の車内で男女3人が襲われ、女性2人が重軽傷、男性1人が死亡した。殺人犯の小島一朗(犯行当時22歳)は、犯行の動機を「無期懲役を狙った」と話し、一審で無期懲役を言い渡されると、万歳三唱して、刑を受け入れた。約3年にわたってこの事件を取材し、『家族不適応殺』(KADOKAWA)にまとめたインベカヲリ★さんに聞いた――。(前編/全2回) 【この記事の画像を見る】 ■無差別殺人犯が何を考えているのかを知りたかった ――なぜ小島一朗に取材したいと思ったのですか。 写真家として活動する前から私がもっとも興味を持っている対象が、人の心だったんです。人は、なにを考え、どんな気持ちを抱えているのだろう。そんな関心がずっとありました。 写真家となってからは300人以上の一般人女性を撮影してきました。どんな人生を送ってきたのか、どんな経験をして、どんな感情を持っているのか……