『ヘレディタリー/継承』と『ミッドサマー』の2作で、ハリウッドで最も新作の公開が待たれる映画監督のひとりとなったアリ・アスター。気鋭の人気制作配給会社であるA24とタッグを組んだ最新作『ボーはおそれている』を引っ提げ、2度目の来日を果たした。 「前2作はホラーというジャンルを用いて描いたけれど、今回はもっと多くのジャンルを入れ込んだ悪夢コメディ。映画というより、文学ジャンルにおけるピカレスクロマンに近いスタイルと言えるね」 殺伐とした街で孤独に生きる中年男性のボー(ホアキン・フェニックス)は、父の命日に帰省する予定だった。ところがハプニングの末、出発直前に家の鍵が盗まれ、飛行機に乗り遅れてしまう。困り果て、母に電話をかけるが、母はボーの話を帰省したくないための嘘と決めつけて怒り出す。再度ボーが母に電話をかけ直すと、電話口に出た謎の男が衝撃の内容を口にしてー。●『ボーはおそれている』はTOH