「神の平和(ラテン語: Pax Dei, 英語:Peace and Truce of God, フランス語:Trêve de Dieu )」運動は10世紀~11世紀にかけてフランスで起きた宗教運動。カール大帝(シャルルマーニュ)死後、後継者争いによる内戦とヴァイキングの侵攻によってフランク王国が分裂・無秩序化した結果、新興領主・城主層が台頭、私闘(フェーデ)が相次いだことから、農民や聖職者など非戦闘員の財産を保護し、私闘を禁じるよう求めた聖職者主導の民衆運動として始まった。その後、一週間のうち水曜から月曜までの四日間及び祝祭日での戦闘を禁じることを騎士たちに誓約させる「神の休戦」へと発展した。この運動は王権の支持を受けて広がり、暴力の抑止に十分とは言えないまでも一定の成果を上げ、騎士道理念へと昇華されるとともに、キリストの戦士として異教徒と戦う十字軍の機運を高めることになった。(注1) 神