「厚生労働省のタブーを知っているか?千鳥ヶ淵には『日本人ではない遺骨』が眠っている。これは厚労省が抱える“パンドラの箱”だ」 この夏、NHKの報道で明らかになったシベリア抑留者の遺骨取り違え問題。私たちの取材は、関係者のこのひと言から始まった。2年以上にわたる取材で次々に明らかになった厚労省にとっての不都合な事実、そして“嘘”。取材から見えてきたのは、過去の過ちから目をそらし、“事なかれ主義”に終始しようとする官僚たちの姿だった。 ことし9月19日、厚生労働省は終戦直後にシベリアに抑留されて亡くなった日本人のものとして収集した597人分の遺骨について、日本人のものではない可能性があることを公表した。 取り違えの疑いは、14年前から複数の専門家が再三指摘していたのに、放置されていたことも判明。厚労省は過去の対応に問題があったことを認めて、外部の弁護士らによる調査チームを設置し、今月中にも調査