南アフリカで開催されたBRICS首脳会議(サミット)で、中国・習近平国家主席の弱々しい姿が目についた。 中国国内では経済の低迷に加え、大洪水による被害、幹部や解放軍の人事混乱など、ここにきて習近平政権のほころびが一気に噴出し始めている。 第3期目に入り圧倒的な権力を掌握している習近平だが、やる気と自信を失い始めているのか? (福島香織:ジャーナリスト) 中国では「躺平」(寝そべり)という態度が蔓延している。サボタージュ、何をやっても無駄、報われない、という無気力の姿勢を意味するキーワードで、数年前から流行語化している。何か不条理な状況にあったとき、抗議などをすると、挑発罪、社会擾乱罪、ひどい場合は国家政権転覆煽動罪などで逮捕される可能性があるので、自分の身を守るためには何もしない、抵抗もしないのが一番、という処世術ともいえる。 何もしないこと自体が、一つの抵抗のアクションという見方もある。