【ワシントン時事】2001年9月11日の米同時テロから間もなく20年を迎える。 バイデン大統領はこの間に及んだアフガニスタン駐留米軍の撤収を断行。外交安保政策の重心を台頭する中国との競争にシフトする狙いがある。だが米国が威信を懸けて取り組んだアフガンやイラクの民主化に失敗し、テロの脅威は残ったまま。同盟国との関係がぎくしゃくするなど、迷走を続けた20年は米国の信頼性と国力をむしばんだ。 ◇民主化に700兆円投入 米国は同時テロへの報復に端を発したアフガンとイラクの戦争に約6.4兆ドル(約700兆円)を投入し、米兵約7000人を失った。この金額は日本の国家予算の約7倍に当たる。バージニア大のメルビン・レフラー名誉教授は、「対テロ戦が国づくりと民主主義の促進に拡大し、出費が天文学的数字に膨れ上がった」と指摘する。 【写真】アフガニスタンから撤収する最後の米軍人として輸送機に乗り込む司令官 01