今週のお題特別編「素敵な絵本」 うちの父親はしがない商業イラストレーターだった。 今でもそうなのかもしれないが、イラストレーターという仕事は名の売れた作家以外は1点いくらというような下請け仕事が多い。 僕の父親は絵がものすごく上手いのだが、いかんせん商売ベタなところもあり、我が家は極貧とまでは行かないがそれなりに慎ましい生活をしていた。 今思えば、あの時は収入も不安定で色々苦労があったんだろうなと気がつくところがある。 しかし、父も母もとにかく家族との時間を大切にしてくれていた。 小さい頃は友達のように欲しいものが買ってもらえず不満に思っていたが、家族との時間というのは両親からの一番の贈り物だったのではないだろうか。 父親は僕が小学校に上がる頃、僕を主人公にした1冊の絵本を描いていた。 そしてそれを出版してもらおうと、出版社に持ち込んだ。 初めは他の絵本などを読んで「このくらいなら僕にも書