債券は金利が上昇すると価格が下落し、金利が低下すると価格が上昇する。この性質は長期債の方が短期債よりも大きい。例えば、金利が1%上昇した場合に、時価100円の1年債は約1円(=1%×1年)下落するのに対し、10年債は約10円(=1%×10年)下落する。同じ金利上昇幅でも、価格下落幅は長期債の方が大きいため、今後金利上昇を見込む場合、通常は短期債に投資するだろう。しかし、早期に短期化を進めるのにはリスクがある。短期化すべきかどうかは、金利上昇までに要する時間(金利上昇スピード)も考慮すべきだからである。 債券投資により得られる収益には、基本的に3つの要素がある。1つ目は、金利(価格)変動によるキャピタル損益で、金利が低下すれば収益となり、金利が上昇すれば損失となる。これは前述の通り短期債よりも長期債の方が、変動割合が大きい。2つ目は、債券を保有し続けることにより得られるインカム(利息)収入で