気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン (前回から読む) 企業再建交渉 大分前の話になるが、ある外国企業(以下、「X」社という)と日本の銀行(以下、「Y行」という)の交渉の場に同席したことがある。交渉の主題は、財務状況が悪化した自動車会社(以下、「Z社」という)の再建問題であった。Z社のメイン・バンクであるY行は、X社がZ社に数千億円規模の出資を行い、X社の指導の下でZ社の再建が進められることを望んでいた。X社はZ社に資本参加すること自体には積極的であったが、Z社に蓄積された膨大な負債が再建の足枷になることを懸念し、資本参加の条件としてY行が貸付金の一部を放棄することを求めてきた。企業再生実務に詳しい人に言わせると、「この段階で日本の銀行が債権放棄をすることなど絶対にあり得ない。交