【八重山】環境省のレッドデータブックで絶滅危惧(きぐ)II種に指定されているヤシガニの個体数が激減する中、ヤシガニの雌は自分より小さい雄とは交接しないことが独立行政法人水産総合研究センター西海区水産研究所石垣支所(與世田兼三支所長)の調査で分かった。 21日に市内で開かれた文化講演会(石垣市教育委員会主催)で調査結果を報告した佐藤琢研究員は「市内の居酒屋で提供されている大部分は500グラム以上の雄。大きな雄ばかり捕獲され“婿不足”状態で、公的機関や販売する居酒屋、地域で保護の方法を考えることが大切だ」と強調した。 ヤシガニは生息地の北限が沖縄といわれ、陸上で生活する甲殻類では世界最大で体重は3キログラム以上にもなる。稚ガニ以降は陸上で生活するため魚介類のような漁獲制限や規制がなく、乱獲などで激減。環境省のレッドデータブックで絶滅危惧II種に指定したが、法的に捕獲を制限するものでないため