犬にシェパードやブルドックといった品種が存在するように、牛にもさまざまな品種がある。犬を飼いたいと思ったとき、家の中で飼いたいから小型犬がいいな、とか、番犬にしたいから強そうなのがいいなど、いろいろな視点で犬を見ることだろう。同じように、牛も品種によって向き・不向きがある。いちばん大きな分け方をすると、畜産における牛の利用方法は「肉にする」と「乳を搾る」という2つだ。そこで、それぞれを得意とする「肉用種」と「乳用種」がいる。 たとえば牛乳のパッケージにはよく白黒まだらの牛がイラストで描かれているが、あれはホルスタインという乳用種だ。草と穀物を食べて、適度な乳脂肪分を含む乳をたっぷりと出してくれる。ジャージーという品種は、乳脂肪が濃く、アイスクリームなどに適した乳を出すことで有名だ。 一方、肉用種に必要な資質は乳用種とは大きく異なる。簡単に言ってしまうと、すぐ大きくなって、肉がいっぱい取れて