◆福岡市議、赤字50万円私財削り 6日、福岡市郊外の公民館。「皆さんの代弁者として、議会でしっかり発言します」。12日の市議選に立候補している60代の現職は、しゃがれ声で訴えた。 政治と無縁の家系。相続した土地を売り、選挙や政治活動につぎ込んできた。その額、数千万円−。「いつも金には困っとるよ」。政治の世界に「井戸塀」という言葉がある。私財を費やし、井戸と塀しか残らない政治家の例えだ。 市議の報酬は月88万円。月26万円の政務活動費も別に支給される。そんなにお金がいるのだろうか。 選挙直前の3月末、朝の県道沿いに彼の姿があった。2時間のつじ立ちで、頭を下げること1200回。昼は老人会の会合に顔を出した。勧められるままビールを5杯と日本酒をおちょこ5杯。カラオケも付き合い、会費5千円を置いて帰った。年末年始や夏祭りの最盛期は、1日10カ所を超す。普段も2日に1回は地元関係者と飲む。