クレア氏によればウィットは「メジャーNo.1打者の座を大谷から奪う可能性が最も高い選手」だという。その評を本人に伝えたところ返ってきたのが冒頭の回答だった。「大谷とライバル関係になるなんて想像できない」。謙遜ではなく本心だろう。なぜなら彼は、大谷を見て育った世代だからである。 「ボクは18歳で二刀流を諦めた」 今年のオールスターゲームでベンチ入りした選手の平均年齢は28.4歳だ。24歳のウィットを筆頭に選出された25歳以下の若き才能たちは中学、高校で「オオタニの二刀流」という事件を目撃している。実際にウィット自身、「高校時代にはピッチャーもやっていた」と言う。しかし彼らは――オールスターに選ばれるだけのポテンシャルを持ちながら――二刀流を諦めている。 ホームランダービーで決勝まで進んだウィットの場合は、シンプルな理由からだった。 「最終的に決断したのは18歳のときだね。その段階で気づいてい