ドナルド・トランプ米大統領は型破りで突飛なことをする。予測不可能で衝動的なので、日本をはじめ、世界は注意しなくてはいけない――。もし、あなたがこう信じているならば、すでにトランプ大統領に騙されているかもしれない。 「米国第一主義」を掲げるトランプ大統領は、これまでに通商問題や為替政策、在日米軍の駐留経費問題でさんざんと日本を批判してきた。しかし、2月10日の日米首脳会談後の記者会見では「われわれは自由で公平、両国にとって利益をもたらす貿易関係を目指す」「日本は重要な同盟国であり、日米同盟は平和と繁栄の礎だ」と日本を持ち上げた。 ニクソン元大統領の「マッドマン・セオリー」を実践 「狂気」を装いながら、結果的に極めて合理的に振舞っている。駆け引きの一環として、常軌を逸した過激な言動を意図的に繰り返し、交渉相手国に要求や条件を吞ませることに成功している。日本のメディアではあまり報じられていないが