駅で「水漏れ注意」という貼り紙を見かける。どこか配管が傷んでいるかもしれない。残念な景色だと思う。家で雨漏りすれば安普請の証拠。きっと駅員さんや鉄道会社にとっても恥ずかしいことだろう。だから私はなるべく見ないフリをする。 ところが、先日訪れた地下鉄の有楽町駅の水漏れ対策は見過ごせなかった。規模が大きい。天井から透明なチューブがぶら下がり、柱に向かって降りていく。柱の下には青いバケツ。それがいくつもある。不謹慎ながら、その造形を美しいと思ってしまった。ファンタジー作品の「世界樹の根」ってこんな感じか。思わずスマホで撮った。 この水漏れ写真を集めている人がいる。液漏れならぬ「駅もれ」と題したブログを2011年12月2日から運営している萩原幸也さんだ。いまでは同好の士も現れて投稿写真も多数。「駅もれ」になぜ注目したか、萩原さんにお話を伺った。(全2回の1回目。後編を読む)