覚醒剤密輸事件の裁判員裁判で無罪判決が相次いでいることを受け、最高検は、密輸事件の立証方法などを見直す検討会を4月中に発足させることを決めた。 年内にも公判立証や捜査の指針を示す考え。2009年の裁判員裁判スタート後、検察が特定の種類の事件を対象に公判対策の組織を設けるのは初めて。 覚醒剤密輸は、最高刑が無期懲役と重いため、市民生活とは縁遠い事件にもかかわらず、裁判員制度の対象となった。無罪判決は同制度の開始から7件あり、全対象事件の無罪判決(17件)の半数近くに上る。 密輸事件では、手荷物に覚醒剤を隠して入国した渡航者や覚醒剤入りの航空貨物の受け取り役が逮捕・起訴されるケースが多い。被告が「中身を知らなかった」と否認した場合、検察側は税関での態度など間接事実を積み上げて犯意を立証する。しかし、密輸になじみのない裁判員から、「その態度は必ずしも犯人であることを示さない」などと判断されること
裁判官らと意見交換会 釧路地裁は4日、裁判員経験者5人を招き、裁判官、検察官、弁護士の法曹三者との意見交換会を開いた。同地裁の管内面積は約2万8000平方キロ・メートルと全国最大で、裁判員経験者からは「選任手続きのために遠くから来るのは負担が大きい。最寄りの支部などで手続きを行えるようにしてほしい」などの意見が出された。 釧路地裁ではこれまで19件の裁判員裁判が行われている。意見交換会は来月に裁判員制度開始から3年を迎えるのを前に課題を探るために開いた。殺人・殺人未遂や麻薬特例法違反事件の裁判に参加した男性5人が出席。選任手続きや審理、評議などについて意見や感想を話した。 同地裁の管轄は釧路、根室、十勝、オホーツク地方に及ぶ。例えばオホーツク海側の遠軽町に住む人が裁判員候補に選ばれた場合、選任手続きに行くにも車で片道4~5時間かかる。 十勝地方に住む40歳代の自営業者は「遠くから来て裁判員
危険運転致死傷などの罪に問われ、1審・静岡地裁沼津支部の裁判員裁判で求刑を2年上回る懲役12年の判決を受けた事故当時19歳の無職の男(21)について、東京高裁は4日、1審を支持し、被告側の控訴を棄却する判決を言い渡した。 判決によると、男は2010年8月、静岡県三島市内で乗用車を運転中、2人乗りのバイクを時速50~90キロで追走してあおり、バイクと大型トラックとの衝突事故を誘発。2人を死傷させ、そのまま逃走した。 被告側は1審の量刑は不当だと主張したが、金谷暁裁判長は「従来の量刑に比べれば重いが、被告の無責任で卑劣な態度や、裁判員の意見が反映された結果であることを考慮すると、著しく不当だとは言えない」と述べた。
【ブリュッセル=工藤武人】欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は25日、インターネット上の個人情報保護のため、利用者がネット事業者に情報の削除を要求できる「忘れられる権利」を盛り込む法案をまとめた。 違反には最高100万ユーロ(約1億100万円)の罰金が科される。EU域内で活動している世界中の企業が適用対象で、ネットを利用した事業展開に影響しそうだ。施行は、欧州議会と27加盟国の承認を得てから2年後となる。 「忘れられる権利」は、EUが提唱する新しい概念。ネット上の情報を個人では削除しきれないことに対応したもので、法施行後は、利用者が名前や写真、クレジットカードの情報といったデータの削除を求めれば、ネット事業者は、報道目的など正当な理由がない限り情報管理を行うサーバーから抹消しなければならない。
広島刑務所(広島市中区)から中国籍の李国林容疑者(40)が脱走した事件で、法務省は26日、脱走を許した原因について「職員の気の緩みや設備面での不備があった」とする中間報告を公表した。 小川法相は同日午前の記者会見で、「起きてはならない事故を起こして不安を与え、大変申し訳ない」と謝罪した上で、最終的な調査結果がまとまった段階で、同刑務所職員らを処分する考えを明らかにした。 中間報告では、〈1〉李容疑者には過去に逃走歴があったのに同刑務所は要注意人物に指定せず、職員の気の緩みもあって注意が不足していた〈2〉脱走を図った運動場では、用具倉庫の裏など監視の死角が生じていたのに放置し、逃走を容易にした〈3〉容疑者が収容されていた建物から施設の工事区域が見渡すことができるなど、逃走の計画を立てやすい状況にあった――などと分析。警察や近隣住民への通報が遅れたことも、問題点として挙げた。
【ローマ=末続哲也】ギリシャ政府は、財政危機を招いた原因となった脱税の横行に歯止めをかけようと、15万ユーロ(約1500万円)を超す脱税が判明し、支払いのメドも立たない4152人全員の実名と脱税額の一覧を公表した。 22日に公表され、同国メディアなどが23日に伝えた。バスケットボールの元スター選手や元閣僚の夫などが含まれる。 脱税の最高額は、顧客の脱税のために領収書を偽造して懲役計504年の実刑判決を言い渡された会計士の約9億5200万ユーロ(約950億円)。全員の脱税総額は約149億ユーロ(約1兆4900億円)に上るが、脱税者の多くが投獄されたり、破産するなどしており、大半は徴収できそうにない。
インターネット上で他人のIDやパスワードを盗み取る行為自体を禁じるほか、手口の大半を占めるフィッシングについては、企業を装った偽サイトの開設や、そこに誘導するメールを送るだけで処罰の対象にする。同庁では、金銭被害が広がる前での摘発が可能になるとしている。 警察が一昨年摘発した同法違反事件は、1601件で、2000年(67件)の24倍に上る。IDなどを入手する手口の約9割がフィッシングで、大半がネットバンキングでの不正送金などに悪用する目的だった。 現行法では、不正に入手した他人のIDなどでコンピューターに接続すれば摘発できるが、不正取得自体は処罰対象ではない。このため、警察にフィッシングサイトの情報が寄せられても、詐欺被害などが確認できなければ本格的な捜査に乗り出せないのが現状。昨年までの6年間に摘発された大規模な事件は10件で、計約7億円の被害が確認されているが、同庁では「判明分は氷山の
人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」の全64巻を一度に万引きしたとして、今月17日、静岡県藤枝市の男(26)が窃盗容疑で島田署に逮捕された。 1冊の厚さは1・5センチ、重さは150グラムほどだが、64冊全巻を積み上げれば高さは1メートル、重さも10キロ近くになる。どのように、どんな目的で盗んだのか――。 ◆全巻をごっそり 同県警島田署や被害にあった書店などによると、男が店に入ったのは、昨年12月23日午後7時過ぎ。肩から幅1メートル近い大きなボストンバッグを下げた男の姿に、当時2人いた店員は「何となく怪しい」と思ったが、休日の店内は客でごった返しており、それ以上、気を配ることはなかったという。 被害に気付いたのは、翌朝。「ワンピース」が1巻から64巻まで整然と並んでいたはずの本棚が空になっているのを、出勤した店員が見つけた。 店側が慌てて防犯カメラの映像を確かめると、男がレジから死
法務省は、少年院・少年鑑別所の運営を監視するための第三者機関の設置や法相への不服申し立て制度の創設を柱とする少年院法改正案と少年鑑別所法案を通常国会へ提出する方針を固めた。 法改正は、広島少年院(広島県東広島市)で2009年に発覚した法務教官による少年への暴行事件の再発防止策として行われるもので、施設運営の透明性を高め、収容少年への適切な指導を目指す。 少年院法は1949年の施行以来、初めての抜本改正となる。少年鑑別所はこれまで少年院法で規定されていたが、新たに少年鑑別所法として独立させる。 少年施設にはこれまで外部の監視機関は存在しなかった。「少年施設視察委員会」(仮称)と名付け、全国に各52ある少年院、少年鑑別所に1か所ずつ設ける。弁護士や医師、地元自治体の職員らを委員に選び、施設の視察を行ったり、施設長に意見を述べたりすることができるようにする。 法相への不服申し立ては、教官から不当
福岡地検が昨年10月までの1年間で、検察官と検察事務官に対して10件の内部処分を行っていたことが、読売新聞の情報公開請求でわかった。 事件の時効確認を怠って公訴時効が過ぎたり、取り調べに司法修習生を関わらせたりしたケースがあったが、地検は「公表の必要はない」とし、いずれも発表していない。 同地検の検察官と検察事務官は、福岡県警から書類送検された事件の公訴時効の確認を怠り、受理から約3か月間、捜査に着手しないまま時効を成立させてしまった。事件は時効成立を理由に不起訴となった。同地検は昨年3月、検察官を厳重注意、検察事務官を注意処分とした。 取り調べの際、司法修習生に容疑者に対する調書の読み聞かせをさせた検察官は厳重注意となった。捜査の信頼性を担保するため、内規では検察官が行うと定められている。 福岡地検の新倉英樹次席検事は「事案の内容、関係者のプライバシーなどを総合的に考慮し、公表するまでの
竹歳誠官房副長官は20日の各府省連絡会議で、成人年齢引き下げに関係する法律の見直しについて、各府省の検討状況を2月中旬までに報告するよう指示した。 検討では、未成年者の飲酒や喫煙を禁止するものなど約200の法律が対象となる。 2010年に施行された憲法改正手続きを定める国民投票法は、18歳以上に投票権を認めているが、同法付則に盛り込まれた成人年齢の引き下げの検討が進んでいなかった。しかし、野田首相が18日の中野寛成・民主党憲法調査会長との会談で、成人年齢引き下げに必要な法整備について、政府内で検討を進めることを確認していた。 政府は2月中旬に「年齢条項の見直しに関する検討委員会」(委員長・竹歳副長官)を開き、検討作業を加速させる方針だ。
大阪府警八尾署の男性警察官3人が昨年10月、事件で押収した木刀の紛失を隠すため、無関係の木刀の写真を貼付した虚偽の捜査報告書を作成していたことがわかった。 3人は5日前、酒に酔って電車内で騒ぎ、乗客に110番されるトラブルを起こしており、「紛失もばれたらクビになる」と恐れ、証拠捏造(ねつぞう)に及んだという。府警は18日、3人を停職や減給の懲戒処分とし、証拠隠滅や虚偽有印公文書作成・同行使容疑などで書類送検した。 府警監察室によると、当時、同署生活安全課に在籍していた警部補(53)と、33歳と36歳の巡査部長。 昨年10月21日深夜、他の警察官を含む計6人で電車に乗った際、つり革にぶら下がったり、懸垂したりして騒いだため、男性会社員に110番された。 3人は昨年6月、容疑者の車から押収した木刀を紛失しており、発覚すれば電車内でのトラブルと併せて重い処分を受けると思い、翌日、隠蔽方法を相談し
飲食店の人気ランキングサイト「食ベログ」で業者によるランキング操作があった問題で、質問掲示板「ヤフー知恵袋」でも専門業者が飲食店の依頼で“やらせ投稿”を行っていたことがわかった。不正の横行で、匿名による善意の投稿に支えられる口コミサイトの信頼性が問われそうだ。 「ヤフー知恵袋」にやらせ投稿を依頼していたのは、東証1部上場の商社「JALUX」(東京)が羽田空港内で経営する飲食店。 同社によると、昨春、店側が「投稿請負業」を名乗る業者に依頼し、昨年4~7月、4度にわたって「ヤフー知恵袋」にやらせの質問と回答を書き込ませたという。 まず、「羽田空港内でお薦めの店はどこですか」と質問し、「空港で働いているので空港のレストランは詳しいですよ」などと一般回答者を装って「この店が一番いい」などと推奨していた。同社は「社会通念上許されない行為だった」と陳謝する。 歯科医院や美容院などの情報を掲載するサイト
野田改造内閣の陣容が決まった13日、初入閣した3人は初めての就任記者会見に臨み、新閣僚の一歩を踏み出した。 「大変つらい職務だが、職責を果たしていくのが責任だ」。法相に就任した小川敏夫氏(63)は首相官邸での会見で、死刑を適切に執行する考えを示した。法務省によると、確定死刑囚の数は12日現在、過去最多の130人。平岡秀夫前法相(58)は死刑執行に慎重な姿勢で、昨年は19年ぶりに執行が1件もなかった。 昨年12月、オウム真理教の一連の事件で起訴された189人全員の判決が確定し、松本智津夫死刑囚(56)らの執行の可能性も浮上したが、その後、目黒公証役場事務長・仮谷清志さん(当時68歳)の拉致事件で特別手配されていた平田信(まこと)容疑者(46)が逮捕された。小川氏は「平田容疑者の弁解によっては、(死刑囚から)証言を聞く場合もありうる。そういう面で(死刑が確定した13人の執行は)考慮する必要があ
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