JR新宿駅で痴漢の容疑をかけられた都内大学職員の原田信助さん(当時25)が、新宿警察署による取り調べ後に自殺した事件について、信助さんの母親・尚美さん(55)が「息子は違法な取り調べによって精神的苦痛を受けた」などとして、東京都に対して1000万円の損害賠償を求めた訴訟の第4回口頭弁論が2012年1月17日、東京地裁(相澤哲裁判長)であった。原告側は、被告に対して、信助さんを痴漢事件の被疑者とした根拠となる証拠類の提出を求めていたが、この日開かれた口頭弁論では提出されなかった。 原告側は去年8月に提出した求釈明書において、新宿警察署が信助さんを痴漢の被疑者として書類送検した根拠となる「防犯カメラの映像」や「被害女性の供述調書」などの送致記録を提出するよう被告に求めていた。しかし、同年11月8日に開かれた第3回口頭弁論では、被告がこれを提出せず、原告代理人が「証拠は全部あちら(被告側)が持っ