登録をしたこともない電子決済サービスに、いつの間にか自分の銀行預金で万単位の金額がチャージされていた――。 9月初め、NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」を使った預金の不正な引き出しが明らかになった。9月11日午前0時時点で被害件数は73件、被害総額は約1990万円に上る。被害が確認されているのは七十七銀行や中国銀行、大垣共立銀行など地方銀行を中心とする計12行だ。 現在ドコモ口座に接続する35のすべての銀行が、新規の口座登録を停止している。また、18の銀行では入金も停止した。今後ドコモは銀行側と協議したうえで被害者に全額を補償する方針だ。 一体何が起こったのか。まず不正利用者は何らかの方法で氏名や口座番号、生年月日、暗証番号を入手した。そして被害者名義でドコモの「dアカウント」を取得し、ドコモ口座を開設。銀行口座の情報を入力して両口座を接続したうえで、預金口座からドコモ口座へ入金