今回と次回は、西垣通氏の『基礎情報学』(2004)を読みながら、情報、メディア、心、社会についての理解を深めていきたいと思う。 本書は、文系情報学の立場から、「意味作用に注目し、生命/心/社会をめぐる情報現象を、統一的なシステム・モデルによって論ずることにある」(II)」。そこで用いられている概念装置ないしキーワードは、「生物による意味作用」「オートポイエーシス理論」「ニクラス・ルーマンの理論社会システム論」「ホフマイヤーの生命記号論」「パースの記号論」「レジス・ドブレのメディオロジー」などである。これを著者独自の情報論をもとに、生命情報、社会情報、機械情報の各レベルにおいて情報システム論を考察したのが本書である。 正直言って、これらの諸理論に十分通じていない私にとって、本書は難解である上、基本的な概念のとらえ方に関して疑問を感じる場面が少なくなかったので、やや的外れな批判的評価も多くなる
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