和食や日本食の“要”といえば、昆布やかつお節からの「だし」でしょう。煮物や汁物でのだしのうま味がなければ、文字通り“味気ない”ものになります。 だしは、当たり前ですが水から取ります。 「だしを取る」というプロセスを化学的に表現すると、昆布やかつお節という固体から、水という溶媒に溶ける可溶性のグルタミン酸やイノシン酸という成分を選択的に抽出する固-液(こえき)抽出法であるといえます。お茶やコーヒーを入れる操作も水溶媒抽出という分離プロセスです。 ものを溶かす溶媒の種類によって溶ける成分も変わってきます。 有機化合物を抽出する実験などでは、エーテルやヘキサンなどの有機溶媒がよく用いられます。また、食品のホップエキスの抽出やコーヒー豆からの脱カフェイン抽出などには超臨界二酸化炭素の利用が有名です。 そこで一つの疑問が生まれます。だしは水からしか取れないのか? 水以外の溶媒で“だし的”なものが取れ
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