中国事故対応 隠蔽体質と人命軽視は重症だ(7月31日付・読売社説) これ以上、事態を放置していては国民の批判の矛先が鉄道省から政権中枢に向かいかねないと判断したのだろう。 中国浙江省温州で起きた高速鉄道の列車追突事故で、温家宝首相が現地に赴き、被害者を見舞って遺族を慰問した。 首相自らが乗り出す方針に切り替え、早期の幕引きを狙ったものと見られる。 事故現場で記者会見に応じた温首相は「安全を失えば信用を失う。速ければ良いというものではない。安全第一であるべきだ」などと述べ、調査の全過程を公開することを約束した。 中国の高速鉄道は外国人も利用する公共輸送機関である。事故原因を徹底的に究明し、再発防止策とともに、最終調査結果を公表することが重要だ。 中国政府の事故調査グループは、事故の原因について、「落雷で信号機が故障し、赤色を表示すべき区間の信号が、誤って青色を示した」などとする、当面の分析結