リビア国営テレビは13日、最高指導者カダフィ氏のものとする音声の声明を報じた。声明は「臆病者の十字軍に言う。私はお前たちの手が届かない場所にいる。私は多くの人々の心の中に住んでいるのだ」などと北大西洋条約機構(NATO)軍の空爆を批判した。 声明は、12日未明にあったリビアの首都トリポリにあるカダフィ氏居住区へのNATO軍による空爆に触れており、空爆後に録音されたとみられる。この空爆で3人が死亡したとされる。 カダフィ氏を巡っては、イタリアのフラティニ外相が13日、「トリポリのカトリック教会司教の話」としてカダフィ氏がけがをして首都を離れたとの情報がある、と述べた。リビア政府の報道官は同日、情報を否定した。名をあげられた司教も「私はカダフィ氏が息子の死で精神的なショックを受けているとは言ったが、けがをしたとは言っていない」としている。(カイロ=貫洞欣寛)