北京で開会中の第18回中国共産党大会で、胡錦濤国家主席(共産党総書記)は科学的発展観の更なる深化を強調した。 そして、同大会で科学的発展観は、従来のマルクス・レーニン主義、毛沢東思想、鄧小平理論、三つの代表(江沢民)の4理念と並ぶ党の「行動指針」へ格上げされた。 科学的発展観は、和諧社会の構築につながる持続可能な協調発展を目指した考え方であり、和諧社会とは各階層間で調和の取れた社会を目指すというスローガンのことである。 具体的に言うと、沿海部と内陸部の格差解消、都市と農村の格差解消、官僚や党員の腐敗一掃、環境汚染の改善、輸出主導型から内需主導型への転換である。 この胡錦濤が提起した問題意識は極めて正しい。 上部構造(政治)は共産党独裁で、下部構造(経済)は資本主義という木に竹を接ぐような体制は最初から歪んでおり、発展すればするほど矛盾が深刻化することは避けられない。 そして今、その矛盾はピ