思い起こせば、ボリス・ニコラーエヴィチ・エリツィンほど、酒飲みとして世界に名を馳せた人物もいなかった。 まだソヴィエト連邦時代の議員だったころ、泥酔した挙句に川へ転落し、危うく命を落としかけるなどという微笑ましいエピソードを残しつつも、ソヴィエト共産党中央委員会書記にまでのぼりつめるという、酒飲みでありながら出来る男であったことは、世界中の多くの酒飲み達をどれほど勇気付けたかわからぬほどである。 さらに、ブレジネフ派との確執から党の役職を追われると、果断にも共産党を離党するや、モスクワ人民代議員選挙に当選して政界へ復帰し、民主綱領派のリーダーとして、翌年にはロシア共和国の最高会議議長に就任するという類稀な行動力は、その裏にどれほどの酒の勢いがあったのかと、多くの酒飲みを唸らせた。 ソヴィエト連邦8月クーデターに際しては、「クーデターは違憲、国家非常事態委員会は非合法」と断固たる声明を発表。
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