コピー機大手のリコーが、希望退職に応じなかった社員約100人に対する出向・配転命令を取り消すのは、命令を無効とする地裁判決が控訴審でも変わらない見通しになり、和解することになったためだ。経営側の事実上の「敗北宣言」は、働き手をリストラするために「追い出し部屋」に異動させる企業に警鐘を鳴らしている。 出向や配転命令は、企業の人事裁量権の一つとして、認められている。ただ、裁判になった場合、その目的に問題があったり、労働者に大きな不利益があったりすると、権利を乱用したとして無効になる。 昨年11月の東京地裁の判決は、経営環境が悪化したリコーに人減らしの必要性があったことは否定していない。だが、各部署ごとの削減人数を「6%」と機械的にはじき出したり、対象を選ぶ基準が不透明だったりして、「慎重さや緻密(ちみつ)さに欠けた」と指摘した。
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