相続税には、相続人数に応じて課税対象の財産額を減らす基礎控除がありますが、相続人が配偶者の場合、その配偶者に限り特別大きな額の控除を受けることができます。しかし、配偶者の税額軽減の特例を喜んで適用すると、後から重い相続税に苦しむ結果を招いてしまうことも。 書籍『ストーリーでわかる!今までで一番やさしい相続の本 ――得する節税と相続トラブル回避法』を監修し、相続税の専門家である税理士法人チェスターの荒巻さんが、魅力的に見える配偶者の税額軽減の特例に一歩踏み込んで、本当にトクする遺産分割について解説します。 残された配偶者への優遇措置 相続税の制度の中に、配偶者だけに認められる「税額軽減の特例」があります。これは、今後生活していく上で必要となる生活資金や、夫婦で協力して財産を築き上げてきたことなどを考慮して、残された配偶者の税負担を減らしてくれるものです。 第1回でも少し触れましたが、この配